リカンベントとは?
リカンベントとは英語で(recumbent:もたれかかる)の意味であり、シートにもたれかかって前方に足を投げ出して乗る自転車です。
一般的な自転車と比べて空気抵抗が大幅に小さいことから、同じ脚力の人がリカンベントに乗ると、5km/hほど巡行速度が上がると言われています。
それ以外のメリットとして、以下のようなものがあります。
- 腰やお尻、首が痛くならない
- 景色が広がり、開放感があり非日常が楽しめる
- とにかく目立つ!
まず、上の写真のようにお尻から首までをシートが支えてくれるので、ロードバイクのように背中を丸めながらサドルとハンドルで体重を支える必要がなく、体への負担が小さいです。
また、一般の自転車は前傾姿勢で路面状況を注視するため視野が狭いですが、リカンベントは目の前が空、というくらいに視野が広く、車でいうとオープンカーのような、開放感溢れた乗り物です。
目立つのがメリットかどうかは人にもよると思いますが、非日常を味わう乗り物として格別であることは保証します。
リカンベントは常に速いわけではない・・・
逆にデメリットとしては、以下のものが挙げられます。
- 上りが遅い
- 良い意味でも悪い意味でも目立つものの、車からの視認性が悪い
- 急な段差だとフレーム下を擦りやすい
上りが遅いのはリカンベントの宿命で、下りで颯爽と他車を抜かしても、上りでは哀しいくらいに抜かされます。立ち漕ぎができないので、重力がほとんど使えません。
リカンベントは日本ではまだまだ知名度の低い乗り物であり、良くも悪くも目立ちます。昨今はSNSで簡単にアップされる時代なので、特殊な乗り物に乗っているという意識で、交通ルールは遵守いただけますようお願いいたします。
また、車高の低さゆえ車両からの視認性が悪いです。そのため、リカンベントは旗を立てることが多いですが、それでも見えにくいです。なお、リカンベントの貸出し時には前後フラッシングライトを着けてお渡しいたします。
車両からの視認性について検証しているサイトがありますので、良かったら参考にしてください。
車からどのようにリカンベントが見えているか。5車種集めて徹底検証
リカンベント スペック
続いてスペックですが、リカンベントはイギリスメーカーICE(Inspired Cycle Engineering)のVTXで、フラッグシップモデルになります。ICE公式サイト VTX詳細
なお、IL VENTOで扱っているVTXは上記リンクの1つ前のモデルとなり、重量などが少し異なります。
サイズは、幅が75cm、全長は約2.2m。このサイズ感で重さは14.7kg。
GIANT ATXのモデルと同じ重量ですので、ICE VTXがどれほどストイックな乗り物かお分かりいただけると思います。
着座位置はタイトルにもあるように、地上高16.5cm。地面に15cm定規を立ててみると、どれほど低いか想像いただけるでしょう。
ちなみに最小回転半径は5.5mと、自動車よりも小回りは利きません。そのため、転回するときは何度か切り返す必要があります。
そう聞くと曲がれない、もっさりとした乗り物なのかと思ってしまいがちですが、全く心配いりません。
シートの下から伸びた直立した2本のハンドルバーを少し切るだけで、まるでレーシングカーのように、機敏に曲がります。そのクイックさのあまり、慣れるまでは真っすぐ走るのが難しいくらいです。
タイヤはフロントが20インチ、リアが700cの、Schwalbe Duranoです。
ブレーキは、前2輪にAvid BB7 160mmディスクブレーキが装着されており、圧倒的なストッピングパワーを誇ります。後輪にはパーキングブレーキが付いています。
ディレイラーは、フロントがMicroshift Triple、リアがSRAM X9。
ギアはフロント3速、リア10速の30段。
シフト操作は、ハンドルバー上部にシフターが付いているので、それを手前に倒したり奥に倒したりして変速します。
ロードバイクと同様、右がリア側、左がフロントのシフトです。右のシフトは奥に倒すと重く、手前に倒すと軽くなり、左は奥に倒すと軽く、手前に倒すと重くなります。
特にフロントディレイラーの左シフトレバー操作は、ロードバイクと違って少し適当なところがあり、慣れるまでは注意が必要です。(貸し出し時には乗り方含め、十分に説明させていただきます)
また、普通の自転車と比べチェーンがとても長いことから、チェーンの斜めがけ、例えばフロント1速でリアを10速もしくはその逆の状態にすると、チェーンが固着してしまいペダリングが出来なくなりますので、シフトチェンジの際はフロントのギアがどこに入っているか確認するようにしてください。